■医師免許取得過程
アメリカの医学教育では、アメリカ合衆国の医師 (Physician) 免許を取得する教育過程を紹介する。米国医師免許の取得までには、以下のステップを要する。
 まず一般の4年制大学で主専攻の他に、物理学・化学・生物学を履修するか、医学進学過程 (Pre
-Med Course) に進んで物理学・化学・生物学を強化したプログラムを履修
する。前者では専攻は問われない。例えば文学・歴史学・英語学などを主専攻にしながらでも、
上記の基礎科学三教科を履修すれば医学校入学要件を満たされる。大学学部課程を教養課程として活用しているのである。
 "アメリカ合衆国では医学部は「メディカルスクール」と呼ばれ、4年制の専門職大学院であり、
一般大学卒業者のみが進学できる。何学部卒でもかまわないが、その州出身者が優先される。教
育は医師などの医学の専門家ではなく教育の専門家が行う。これにより教育効果を上げて経済効
果を高める事ができるが、その一方内容の正確性に問題があるとの指摘もある。修了者は大学-
大学院合わせて8年修業する事になり、日本の卒後研修後と同じ年数になる。修了者は必ず医学
博士(Medicina Doctor または Doctor of Medicine, M.D. または
D.M.)となる。
二種類の道に分かれる。学位からアメリカ合衆国にはM.D.とD.O.の二種類の称号の医師がそれぞ
れ存在するからである。M.D.は通常西洋医学を学び、D.O.は通常西洋医学に加えてオステオパシー
(整骨医学と訳される事がある)を学ぶ。オステオパシー医学では筋骨の正常な構造が健康に重要であると考える。
a |
入学願書(締め切り必着のこと) |
b |
出身大学の学部でのGPA(評定平均値)が記載されている成績証明書
(GPA3.0以上が望ましい) |
c |
MCAT・TOEFL スコア (各大学で要求されている最低得点) |
d |
出身大学の指導教官・その他教授陣による英文の推薦状 (平均3通要) |
e |
大学での自治会活動やコミュニティーサービスでのボランティア活動記録 |
f |
各種医療施設での勤務経験、及び研究業績や活動記録 |
g |
上記以外でのボランティア活動記録 ・勤務経験・研究業績・活動記録 |
h |
教育ローンの出願書 |
i |
MD/PhD や他教育期間での最終学歴の卒業証明書 |
j |
専門科課程の選択希望 |
アメリカ医科大学協会:AAMC(Association of American Medical Colleges)より
 アメリカ医科大学協会 (AAMC) の「MCAT (medical college admission test)」という共通試験
を受験し「メディカルスクール」と呼ばれる医学専門課程に進学する。そこで2年間基礎医学、2
年間臨床医学及び病院実習という計4年間医学を専門的に勉強する。この間「合衆国医師免許試
験 (USMLE; United States Medical Licensing Examination)」の
StepI(基礎医学)、StepII(臨床医学)の試験を段階的に受ける。そして卒業すると医学博士
号 (M.D.) が同時に与えられ、最後にUSMLE StepIII(臨床技能試験)を受け、
その後指定の研修病院先に進む。
a |
BIOLOGY: 最低1年履修のこと |
b |
PHYSICS: 最低1年履修のこと |
c |
ENGLISH: 最低1年履修のこと |
d |
CHEMISTRY (through Organic Chemistry): 最低1年履修のこと |
e |
上記に加え、地元の病院・クリニックなどの各種医療施設での勤務経験やボランティア活動、専門分野のみに限らない幅広い分野での研究活動が出願には求められる |
| MCAT試験概要 |
| 学科名 |
Physical Science |
Verbal Reasoning |
Writing Sample |
Biological Science |
試験所要時間 |
70分 |
60分 |
60分 |
70分 |
問題数 |
52問 |
40問 |
2 Essays |
52問 |
*所要時間約五時間
*2007年度よりCBT(Computer Based Test)に変更
アメリカ医科大学協会:AAMC(Association of American Medical Colleges)より
| |
受験者数 |
Physical Science |
Verbal Reasoning |
Biological Science |
Writing Sample |
アジア人 |
16037 |
8.6 |
7.8 |
8.8 |
N/A |
全受験者平均 |
66435 |
8.1 |
8.1 |
8.3 |
N/A |
* 各科目15点偏差値による得点
アメリカ医科大学協会:AAMC(Association of American Medical Colleges)より
| |
応募者数 |
全体受験者数の比率 |
インド |
850人 |
25.8% |
パキスタン |
290人 |
8.7% |
中国 |
130人 |
4.5% |
フィリピン |
130人 |
4.1% |
エジプト |
110人 |
4.0% |
ドミニカ |
110人 |
3.4% |
ナイジェリア |
100人 |
2.9% |
アメリカ医科大学協会:AAMC(Association of American Medical Colleges)より
2003年 |
2004年 |
2005年 |
1.0% |
0.9% |
1.0% |
アメリカ医科大学協会:AAMC(Association of American Medical Colleges)より
 M.D.と同じように医学校入学要件を満たした者が、通常の医学校に相当するColleges
of Osteopathic Medicine (COM) を受験し、卒業する。卒業時にはオステオパシー医学博士 (D.
O.) の称号が得られる。基礎医学・臨床医学までは同じであるが、課程の特
色としてオステオパシー手技を学ぶのである。D.O.の医学校ではM.D.の医学校と同じように外科
学・薬理学など医師になるのに必要な事柄は全て学ぶ。オステオパシー医学校を卒業すると、12ヶ
月のインターンが待っている。インターンでは内科・家庭医学・外科などをローテーションで学
ぶ。その後2〜6年続くレジデンシーで専門を選び、さらに専門分野を極めようとするD.O.もいる。
最近ではオステオパシー手技を専門に学ぶD.O.は少なく、ほとんどが外科や救急医学や内科学な
どD.O.でなくてもM.D.プログラムの卒業生でも出来る科目に進むD.O.医師が多い。
 研修病院先は「マッチング」という制度によって選定が行われ、その後の進路に大きく左右する
ためかなりの競争となっている。StepIIIまで合格すると州に申請して「医師」免許が与えられ、
基本的な処置や診療のみが許可される。
 研修病院での臨床研修最初の1年を「Internship(インターンシップ)」と呼び、主要診療科を
一通り回るのが一般的となっている。
 その後各科ごとに研修期間の異なる「Residency(レジデンシー)」と呼ばれる段階に進み、各
科それぞれ3〜6年の研修が行われる。この後に「Board Certification Examination(認定試験)」
という試験
を受験。これに合格して初めて「一般内科医」「一般外科医」等の称号となり医師としての一般
的な活動が可能となる。
さらにこの後は「Fellowship(フェローシップ)」と呼ばれる専門医研修があり、各科3〜10年
の研修の後「Subspeciality Board Certification Examination(専門科認定試験)」を受験し、
これに合格して「循環器内科専門医」等という称号が与えられ高度な医療行為を行うことができる。
米国では全州共通の医師免許はなく、全ての医療関連免許はそれぞれの州ごとに与えられている。
即ち、医師国家試験は連邦政府が実施して合否を判定し、医師免許証等は当該州で診療活動を希
望する医師から提出された国家試験の合格証と研修実績などの書類を審査し、州が医師に交付し
ている。
日本のように医師免許があれば事実上すべての診療科を行うことができるというものではなく、
各診療科ごとの専門医資格を必要としている。また手術手技や診療に関しても段階が存在し、高
度な医療を行うにあたってもまた別にその専門医資格を必要としている。
医師免許は終身資格であるが、専門医資格州によっても違うが3〜4年に1回、指定された講義単
位数や実績を前提に更新が行われている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wiki pedia)』 アメリカの医学制度についてより一部抜枠
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